暫く時間が空いてしまいました。今回はロングヘアーカチナです。
一見すると地味なのですが、奥の深いカチナで私のお気に入りのひとつです。
このカチナはホピのオリジナルではなく、リオグランデなどの東の部族からもたらされたと考えられています。
ニューメキシコ州の様々なプエブロ種族の儀式に同様の形態で現れます。
ロングヘアーには多くの種類が存在し、Barefoot, Bounding,Navajo,Tewa, Lightning等様々なバリエーションがあります。
これらの見分けは難しく 非常に曖昧になっています。
彼らの役割は主に雨をもたらすことです。
彼らの口元の4つの色は4種類のトウモロコシを表しています。
また、青い顔は空を表します。
儀式の際はガラガラを持ち集団で踊ります。
カチナのお話 第12回 スネークダンサー
カチナのお話 第11回 Hemis
カチナのお話第11回はこの季節の主役Hemisカチナを取り上げます。
このカチナはカチナ達がホピのメサを去るニマン(Niman)/Home-Going Ceremonyに登場します。
派手なタブレタ(頭飾り)が特徴的で私が好きなカチナの一つです。
収穫したたくさんのトウモロコシを抱えて現れるのでコーンカチナと呼ばれることもあります。
このHemisカチナが登場する儀式の後、カチナ達は西にある聖なる山へと帰っていきます。
カチナのお話 第10回 Mudhead
少し間が空いてしまいましたが、今回はホピの間でも人気者のマッドヘッドです。
このカチナは元々はズニのカチナでホピが輸入し定着しました。
ですので儀式の際はズニ語で歌ったりします。
マッドヘッドの役割は司会者、ドラマー、コメディアンなど何でもこなすエンターテイナーです。
クラウンと同様に儀式の重苦しい雰囲気を和ませたりすることと滞り無く進行させるとても重要な仕事をこなします。
本来マッドヘッドは近親相姦で生まれた奇形の子供で間違いを戒めるための存在でしたが、
いつしか時間とともに意味合いが変わり、家族愛や部族の繋がりの象徴へと変化しました。
通常カチナは決められた人が演じますが、マッドヘッドは誰がやっても構わないようです。
例えば主役のカチナの登場が遅れている場合など、『マッドヘッドセット』を装着し観客を湧かせることもできるようです。
カチナのお話 第9回 Cold Bringing Woman
カチナのお話 第8回 Snow
今年は暖冬ですが、冬にちなんでスノーカチナのお話を。
このカチナは冬の間の様々な儀式に登場します。
カチナの山(サンフランシスコピークの近く)の頂上に住んでいると言われていて、付近の山々に雪を降らせます。
雪は春になると融け、川の流れとなりホピの村へ水をもたらします。
春の豊富な水は作物の育成に欠かせないものですのでスノーカチナはとても人気があります。
夏場のNimanの儀式にもそっくりなカチナが登場しますが、
当然のことながら夏場に雪は降りませんのでスノーカチナではありません。
ホワイトガールと呼ばれ、手には収穫したてのトウモロコシを持っています。
しかし、ホピの人でも正しく理解していない人が多く、このカチナをスノーカチナと言う人が多く、ちょっと残念な気分です。