カチナのお話 第34回 Poli Taka

今回は第1回で紹介したバタフライカチナのひとつ、Poliの男版Poli Takaです。近年バタフライカチナの概念が変化してきているようでバタフライ=Poli、ウォーター、モイスチャー系=Palhikという認識で落ち着いてきているようです。

ということでこのPoli Takaは羽と触角を除けばハミングバードやパロットに酷似した顔立ちで春の儀式に現れるカチナ達に似た出立ちになっています。身に着けているものからランナー系カチナではなくダンサー系だということが判ります。春の訪れを歓迎し、作物の成長を祈るためのカチナだと考えられます。

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KOKOPELLI Katsina Doll
http://kachina.studio-kokopelli.co.uk/
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Old Butterfly Katsina Doll

とても古いカチナドールを入手しました。
Palhik Mana (butterfly)カチナです。
制作年代についてですが、今のところ1940〜50年代と推測しています。
その理由として下記を挙げます。
●3ピース(パーツが3つに分かれている)
 古い時代にはパーツ毎に作り、組み合わせるという方法は取られていない。
●カチナの特徴が判りやすい
 カチナの形態は時代とともに変化しているため、古いものの中には
 現代のものとかけ離れ判りにくいものも多くある。
●足が付いている
 古い時代のものは足がないものが多い。
●貝などの装飾がない
 60年代ごろになるとナヴァホ製の派手なカチナドールの影響で
 貝殻や羽を使うようになる。

スタイルとしてはレイトトラディショナルからアーリーフルフィギュア辺りに
位置するように思えます。
壁掛け用の紐が首に巻かれておらず、巻かれていた痕跡もないため
フルフィギュア系の原型の可能性が高いと考えられます。

作者は当然のことながら不明です。
偽物ではないか?との疑念も捨てきれませんが、素材は重さ、見た目、手触りなどからコトンウッドで間違いないと思いますので少なくともナヴァホ製などではないと考えています。
恐らく土産物用に作られた通称「ルート66カチナ」ではないかと思われます。

ちなみにこれは商品ではありません。
店長の個人的な収集物です。